EMPEROR SOLDIER


わが臣民たちよ、初詠み会もまだ(1/7現在)というのに、こちらの方の帝に先に

お会いに来ていただき、誠に感謝する。何と比較してこちらなのかは、ちょっと言え

ません。このページは、タマランチ工房開設以来、初めて皇帝がその顔を臣民の前に

お出しになるコーナーである。臣民諸君、わしも付き合うから、心して読めい。

(タマランチ宮内庁長官・兼絵師・兼おもり W.Bird)

動機

 オッス、オラ悟空! なーんて、タマランチ工房初代皇帝、フェリシテ・ドゥ・タマ=ランティ(てきとう)である! 初めて顔を出す、っつってもなー。読んでる人はわかるだろうけど、他のところもほとんど書いてるのは俺なんだよなー。でも、なんか自分の日記っちゅうのは、あんまし人にみせるもんじゃないと思ったから、今まで作らなかっただけなんだよな。言いたいことあれば掲示板で言えるし。

 しかしだ! そんなウチにこもっていて、世界征服ができるか(みんな忘れてると思うけど、タマランチの初期目的)! 庶民の生活を知らずして皇帝は出来ぬ! 庶民の代表といえば兵隊(W.bird.注:皇帝の思考論理である)! 兵隊といえばオーケストラの指揮者以外(W.bird.注:同)! そこで俺は一念発起で市民オケに入団! 今日(1/7)! 楽器はフルート! 何、そんなもんいつ教わった、だと! たわけ! 俺は皇帝であり天才てれびくんであるからそんなん誰からも教わらなくとも出来るのだ。大体楽器の練習など子供の頃ピアノで嫌ってほどやったから嫌。フルートは、高校の時に拾ったのを、教則本買ってきて自力で吹けるようにしたのだ。それ以来ごくたまあに人前で吹くことはあったが、俺は本業はキーボーダーなので、そっちの方が面倒くさくないのでほとんど練習などはしたことはなかったのだ。でも、俺って天才すぎるしい、その位のハンディがあってちょうど一般人と同じかな、とか考えていたのだ。今日までは。

 

 実践

 今日は初音合わせだっていうしい、どうせ顔合わせで酒のんだりして終わりだろう、なんて考えていたのだ。しかし、その発想は、恐ろしい「ジャズ研思想」というものに知らないうちに侵されていた故の発想だった。まず面喰らったのは、一つ、練習場内での飲食を禁ずる。ジュースもダメ。水ならOK。酒類はもってのほか。煙草は指定の場所で。よく考えたらごく当たり前のことなのだ。ジャズ研では皆酔わないと練習始めないし、ピアノが煙草でこげていたり、弦バス(ジャズ風に言うとウッド)が弁当のカツの油ですべりが良くなっていたりしたが、そーゆーのはクラシックの世界では打首獄門でも許されない極悪なことである。

 あと譜面。ジャズだと、基本的に一段に4小節ずつ。これに小節を足したり引いたりして、キレのいいところで次の段にうつるようにする。しかしクラシックはどうだ! もう音符をつめられるだけつめて、一段8から9小節はあたりまえ。しかも何の法則性もない!まあクラシックピアノやってた時もこういう譜面だったんだけど、もう長いことクラシックの譜面見てなかったから。そもそも譜面が読めなくなってる。だってジャズのピアノって殆どコードだけしか書いてないんだもん、メロディは管楽器が誰かやってくれるし。しかもフルートは特に高音部が多い! 黒丸の下に線が7本くらいついてたりする。えーと、線が一本の上に丸でラだから、シ、ド、レ、ミ…とか数えていってると、「今日は初見でやってみましょう。出来ますね、みなさん」ナニー! 顔あわせって練習もやるのか! 楽譜わたして曲聞いておわり、じゃないのか(W.bird.注:だからそれがジャズ研思想なんだって)! まあ、どうせみんな出来ないだろ…とにかく一回目の練習。

 ナニー! いきなり素晴らしいアンサンブル。本当に皆初見かあ〜! 一人ではずしまくってる俺。高音部出ない、ピッチ悪い、楽譜読めないのダーメダメダメダメ人間。もうジャズ研でいう一年目以下。で、フルートとか木管って、なんか女の子が多いのよね。ああ、女の子が白い目で俺を見る…もっと白い目で俺を見てくれ! もっと蔑んだ目で! …失礼した、つい興奮してしまった。いや、ちょっと新鮮な感覚だったんで、つい…で、バンマスにも怒られまくり。でもバンマスも、最初の方、ちよっとキツめの若い女性で、わりとこういう教師系はタイプで、怒鳴られたときには快感で射精してしまいました。嘘です。でも、こういうのは、いい。怒ってる方も、まさか俺が快感を感じているとは思わないだろう。続いてバンマスが若い男に移る。けっ。でも、男って、女性ほどストレートに言わないな。まあ、練習してください、とはいわれたけど。 

 まあ練習続いて、「次は172から」とか言われる。小節の始めの上に、たまに数字がでている。156、とか、123とか。はて、と思ったが、小節数のことらしい。だから、これは次は172小節目からやるよ、っていうこと。ジャズやロックでは、進行の同じ部分が多いから、A,A,B,A,C,Aなんてやってる。だいたいコード進行が同じやつを集めて8小節くらいでA、とする。まあ、だから使ってもせいぜいM,Nくらいだ。クラシックはZまでだとおっつかないということだな。で、今日の曲で「ラプソディ・イン・ブルー」をやった。これはジャズでも俺がよくやってた曲だ。汚名ばん回イ!

 …全然できねえ。指がまわらん。音がでない。だいたい同じ楽器のアンサンブルって初めてなんだけど、成功したら自分の音が聞こえないし、失敗したらバリバリミストーン目立ちまくりだ。スゲーナこいつら。くそー、ピアノが弾きてえ。何か、言葉でいうと、ドイツ語でコミュニケーションしてるって感じだ。

 結局、俺、本当にソルジャーだ。音楽の世界においてそいつの存在は、もう音楽の中身オンリーだし。まあそれはどこのジャンルも同じだけど。前にも言ってたけど、確かにクラシックのピアノはやってた。でも、しょせんピアノは一人でやる楽器だから、勝手に解釈して(もちろん楽譜に書いてる音は全部弾く、という絶対条件はあるが)わりと自由にできるのよ。ジャズ程ではないけど。それに比べてこれはもう完全に一兵隊だ。フルート三等兵だ。でも、兵隊は兵隊で面白いことが解った。いっつも本業の音楽でも副業でも、指示することの方が多いからな。あとはクビにならないように練習だな。もうひとつ。ジャズやロックは、メンバーから「ここはこうした方がいいんじゃないか」という意見が出ることがあるが、クラシックでそんなことをしたら気がフレタと思われる。自分の意思は編曲者の意思。まあ意見があったら編曲者に言うのもいいんだけうけど、大体その編曲者が練習に顔を出すなんてことはまずあり得まい。イタコでもいればいいんだろうけど。

 

結論

 結論。今、俺は本当に三等兵。だから俺は今はもう最低カーストからの出発。でも、こーゆーのがスキルが伸びていくのよ。最初っから上位にいるカーストだと、あんまりスキル伸びないような気がする。よし、やったるで。とりあえず目標は1stフルートだ。もとブラスバンド出身で同じ楽器のW.Birdもいるからいろいろ教えてもらおう。このまま上達しないと全然だめだな。確実にクビになる。ああ、あのキツい姉ちゃんにもっと怒鳴れたい。今度怒鳴られたら確実に射精してしまう。うっ。

つづかない

Funk Fujiyama!変

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